コース作製者の思い

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コースデザイナーにインタビュー!~勢和の森MTBコースの魅力~

西井匠プロフィール
1973年生まれ
元MTB日本代表チーム監督、博士(体育学)
北京オリンピック(2008)ではMTBチームの監督を、ユースオリンピック(2010シンガポール)では自転車チームの総監督を務める。競技だけでなく、自転車と健康を科学する研究者としても活躍中。
清水一輝プロフィール
1992年生まれ
MTBダウンヒル種目の現役トップライダー
2011-2012と全日本選手権を2連覇、2012年にはアジア選手権も征したアジア最速ライダーの一人。2013はダウンヒルの日本シリーズチャンピオンを獲得。2012から多気町役場の技術専門官として、ノウハウを町づくりに活かす仕事に従事している。
 
勢和の森MTBコースは、なんと手づくりです!
ここでは、コース製作者のお二人に、コースづくりに込めた想いを聞いてみましょう!

多気町じてんしゃの町プロジェクトのリーダー・西井匠さんと、多気町役場・技術専門官の清水一輝さんです。お二人ともよろしくお願いします。
 
よろしくお願いします。
 
さて早速ですが、このコースの特徴はずばりなんでしょう?
 
一番の特徴は、MTBの専門家がコースを手作業で作っているということですね。
 
西井さんはオリンピックを経験されていますし、清水さんは現役の日本代表選手ですから、世界の現場を見てきたMTBの専門家というのは大きな意味がありそうですね。
 
確かにそこは大きな差かもしれませんね。それに、二人とも専門種目が違うことも大事な要素かと。
 
西井さんはクロスカントリー(以下XC)が専門で、僕はダウンヒル(以下DH)が専門なんです。
 
種目がいろいろあるんですね。違いはなんですか?
 
僕が専門とするDHは山頂から一気に駆け下りる種目で、競技時間は3分ぐらいです。スキーの滑降や大回転のようなアルペン種目です。一方で西井さんが専門とされてきたXCは、起伏に富んだコースを2時間近く走る競技で、スキーで言うとノルディックのクロスカントリー種目になります。
 
つまり、このコースはそれぞれの専門性を活かしたコースづくりになっているんですよ。清水君は下りのスペシャリストなので、コースの下り部分は全て清水君が、一方で登り部分はXCを専門とする私が監修しています。
 
なるほど。コースの下りと上りでそれぞれ専門があるんですね~。
その登りですが、勾配がきついと評判ですが・・・?
 
確かに、勾配のきつい部分が何カ所かありますね。もちろんこれには意味があって、登りにも技術が必要だということを理解してもらうためなんです。
 
下りは技術が大事ってよく言われるんですけど、登りも技術が必要なことに気づいていない方が意外と多いんですよ。西井さんの受け売りですが。
 
そうなんです。登りといえども、実は技術の占める割合が高いんです。勾配がきついから、あるいは自分の体力がないから、と想像しがちですが、おそらくそのほとんどが乗車ポジションやトラクションコントロール技術の問題だと思うんです。
 
実は僕も最初はこのコースにある急勾配が登れなかったんです。でも、西井さんから乗車ポジションの修正やトラクションのかけ方アドバイスをもらったら、簡単に登れるようになっちゃいました。あぁ、自分は登りの技術が足りなかったんだ、と思い知らされましたね。
 
清水さんは下りが専門だから、今までやってこなかったわけですね。
 
そうですね。むしろ登りがイヤで下り専門になったぐらいですから(笑)。
 
下りの難しいセクションを攻略できたときの達成感ってありますよね。それを登りに置き換えただけです。急勾配の登りは中級者コースにあるので、初級コースを難なく走れるようになったら、ぜひチャレンジしてみて欲しいですね。 勢和の森MTBコースの登りを全てクリアできるようになったら、Jシリーズ(国内の登録レース)は難なく走れるようになると思いますよ。
 
下り部分はどうですか?
 
下りに関しては、技術差がはっきりと出るようなコース設定にしてあります。例えばプロセクションと呼ばれる部分は、かなり難易度が高くなっています。難易度が高いかわりに、そこが最速ラインになっています。つまり、上手くなればなるほどタイムを短縮できるってことです。
 
プロセクションは危なくないですか?
 
プロセクションを攻めるにはちょっと、という方のために、迂回路も作ってあります。迂回路もレベル別に分けてあるので、状況に応じて使い分けていただければと。
 
なにせ清水君が監修していますから、勢和の森MTBコースの下り部分は洗練されていると思います。XCの下りと言うよりもDHに近くなってきていますが、これにも理由があるんですねぇ。
 
む?どんな理由ですか?
 
ワールドカップや世界選手権など、世界トップが集まるレースのコースは年々ハードになってきています。海外の選手は日ごろからハードなコースを走っているので対応できていますが、パッと行った日本人はコースそのものに翻弄されてしまって、レースの組み立てを考える余裕がないほどです。
 
世界のレベルは高いんですね。では、日本でもそういうハードなコースを作ろうということ?
 
シンプルに言えばそういうことです。コースにプロセクションがあるけど迂回ルートを選択するのと、そもそもコースにプロセクションが存在しないというのは根本的に違うと思いますから。
 
これまでは海外に行かないとそういうコースは経験できませんでした。でもこれからは勢和の森MTBコースに来れば、ある程度までは対応できる、というのを目指してコースづくりをしています。
 
ということは、勢和の森MTBコースに来れば、世界に通用する走りができるようになるということですね。
 
いえいえ、いきなりは難しいと思います。世界のコースはもっとハイレベルですから。なので、今後も徐々にコースを進化させていくつもりです。
 
現在のコースで完成じゃないんですか?
 
いきなりワールドクラスのコースを作ってしまうと、日本でもほんのわずかの人しか走れなくなってしまいます。そうではなくて今のコースを土台にして皆さんがコースに慣れた頃にもうちょっと難しいセクションが登場する、という感じで絶えず進化するコースを目指したいと考えています。
 
このコースで練習した子供たちが、いつか一緒に世界選手権などに出場してくれたら嬉しいですね~。
 
お二人にお話を伺ってみて、他の誰よりもお二人がこのコースで走ることを楽しんでいらっしゃるのが伝わってきました。ぜひ今後も、魅力的なコースづくりを頑張ってくださいね!
ありがとうございます。頑張ります!